この流動と変移が止むことはない
滅んでいった者たちの魂は
底流にころがりつづけている
いや、むしろ
私が漂っているこの流れも
そのなかに内在しているのかもしれぬ
詩を書きながら
もはやそのなかに
純粋なものを感じとることもできない
飽くことなく言葉を連ねながら
何も見出だすことができないという自覚を
認めぬわけにはいかない
大気のなかで
水をもとめ
夥しく流されていく蛾や蝶の群れ
麟粉に目をしばたかせながら
あのひとが何を視ていたのか
それは堆積していく双紙の
地層のなかで
眠りつづける
解放され得ぬ重い夢
褐色の球体にはしる無数の
深淵のようだ
その痛ましい亀裂と
亡き詩人たちの頌歌を憧れ
一握りの土くれをつよく掴んだまま
腰から岩もろとも
崩れ落ちていくように
収束
すべてが立ち上がってゆく瞬間は
もう終わったのだ
複合され
統一されるために残された
おそらく最も新たな意味が
たしかに存在しているとしても
私には
さがし出す能力が欠落している



新たなる海流(抜粋)
─ 詩集「ソネット <エンディミオン> 」より─
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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