囀る



降る霧に覆われては、いつしか見えなくなり、
身体は意志に満たされ、静かに許容する。
身体のない声を、不本意に
緩慢に受け入れ、短い翼で、よちよち歩く。

躓くことしかできない、あらゆる場所で、
白い霧のなか、霧に向かって、
見られながら歩いて行く。見上げながら、
延々と影を曳いて、歩いて行く。

果てのない世界の終端に、日々
私たちは、それぞれが 遠方に見る
雲の幻影、眺める峰々の蒼。
晩春の穏やかな空に巣立つ日を、夢見がちに、

ぬかるんだ土地で、何を仰ぐか。
降る霧に行き過ぎて、囀る、囀る、囀る、囀る。
                            












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